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分散サーバー: 小規模なテーブルに対する大量アクセス

概要

このトピックでは、次の条件をすべて満たすような特別な状況について説明します。
  • 小規模なテーブルに対する大量の読み取りアクセスをサポートしていること。
    注: 小規模とは相対的な概念です。2GB未満のテーブルは適切な候補となります。また、サーバー容量、空きメモリ量、ノード数などの要因によっては、2GBから20GBまでのテーブルも適切な候補となります。
  • (テーブルサイズは小さいにもかかわらず)マシン間のネットワーク通信量が大きいために、データ取得性能に悪影響を与えていること。
  • 頻繁にアクセスする小規模なテーブルを、独立したLASRライブラリへと分離するよう希望していること。
小規模なテーブルの場合、データを分散するのではなくデータを統合する方が、In-Memoryアクセスが高速になります。たとえば、小規模なテーブルがレポート用のデータソースとして使用される場合、テーブル内容が複数のマシン上に分散されている場合よりも、テーブル全体が単一マシン上で利用可能である場合の方が、レポートの取得が高速になります。広く頻繁にアクセスされるレポートの場合、小規模なテーブルを独立したライブラリで管理することにより、レポートの取得性能を改善できます。
小規模なテーブルの取得性能を最適化するには、分散SAS LASR Analytic Serverが、各テーブルの統合された(完全に非分散型の)コピーを複数保持している必要があります。各コピーの書き出し/取り出しは、単一マシンに対して実施されます。各マシンは、負荷およびアクセス要求を満たすために、必要に応じて、それぞれ独自の非分散型サーバープロセスを開始します。非分散型サーバープロセスのロードバランシングと再利用を実施することで、性能をさらに強化できます。
詳細については、SAS LASR Analytic Server: Reference GuideHigh Volume Access to Smaller Tablesを参照してください。

手順

分散SAS LASR Analytic Server上での小規模なテーブルに対する大量アクセスを最適化するには、次の操作を行います。
  1. 小規模なテーブル専用のLASRライブラリを特定するか、または作成します。
    • そのライブラリに対して大規模なテーブルのロードやインポートを行ってはならないことをユーザーが認識できるような名前を、当該ライブラリに付与します。
    • そのライブラリを、分散SAS LASR Analytic Serverと関連付けます。
  2. LASRライブラリの拡張属性VA.TableFullCopiesを正の整数に設定します。(SAS管理コンソールまたはSAS Environment Managerのいずれかを使用して、LASRライブラリの拡張属性を設定できます。)
  3. 結果を確認するために、1つのテーブルをそのLASRライブラリにロードします。LASRテーブルタブで、そのテーブルのステータスを確認します。 テーブル情報の取得を参照してください。

拡張属性

次に示すライブラリレベルの拡張属性は、小規模なテーブルの最適化を可能にし、テーブルごとのIn-Memoryインスタンス数を制御します。
VA.TableFullCopies
ロードされるテーブルごとに作成される、完全なIn-Memoryの単一ノードインスタンスの数を指定します。デフォルトでは値が指定されないため、完全なコピーインスタンスはまったく作成されません。小規模なテーブルのみを含んでいるLASRライブラリがあり、同ライブラリが分散サーバーに関連付けられている場合、この属性値を正の整数に設定します。
注意:
大きい値を設定した場合や、誰かが大規模なテーブルをこのライブラリにロードした場合、サーバーメモリの消費量が急増します。
たとえば、最初に4未満の値を指定し(その後、必要に応じてこの値をインクリメントする)、関連付けられているサーバーのテーブル制限を設定し、そのライブラリの管理アクセス許可を制限するとします。
その他の詳細を次に示します。
  • 自動ロードはこの属性をサポートします。
  • 追加の完全コピーと一緒にロードされるテーブルには、データを追加できません。
  • LASRスタースキーマ、Twitterからのインポート、Facebookからのインポートは、この属性を無視します。
  • 非分散型SAS LASR Analytic Serverはこの属性を無視します。
  • 通常、追加の完全コピーと一緒にロードされるテーブルを圧縮することには利点がありません。

シナリオ

  • LibraryAは、小規模なテーブルのみを含んでいるLASRライブラリです。
  • LibraryAを、分散SAS LASR Analytic ServerであるServerAと関連付けます。
  • LibraryAの拡張属性タブで、VA.TableFullCopiesに値3を指定します。

結果

  • TableAがLibraryAにロードされると、ServerA上の3つのノードがTableAの完全なコピーを取得します。
  • TableAへのアクセスが要求されると、これら3つのノードのうちの1つが、TableAの完全なコピーを提供します。
  • TableAは、通常の分散方式でもロードされます。ただし、TableAの分散インスタンスを通じてアクセス要求が満たされることはありません。
  • TableAには追加が行えません。
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最終更新: 2018/10/24