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Base SAS 9.4

DS2言語

DS2は、高度なデータ操作とアプリケーションに適したSAS独自のプログラミング言語です。DS2はBase SASに組み込まれており、SAS DATAステップと併用されます。また、データ型、ANSI SQL型、プログラミング構造要素、ユーザー定義のメソッドとパッケージもより多く含まれています。複数のDS2言語要素で埋め込みFedSQL構文が使用できます。実行時生成クエリでは、DS2と任意のサポートされているデータベースとの間で対話的にデータを交換できます。この機能によって入力テーブルのSQL前処理が可能になり、2つの言語の力を効果的に結合できるようになります。DS2プロシジャを使用すると、Base SASセッションからDS2言語ステートメントをサブミットできます。SAS Embedded Processの機能を活用して、SAS In-Database Code AcceleratorでDS2スレッドプログラムをデータベースにパブリッシュし、データベース内で並列にスレッドプログラムを実行できます。
SAS 9.4M1では、次のDS2の変更が行われました。
  • SAS In-Database Code Acceleratorの動作が変更され、デフォルトでは、DS2コードはデータベース内で実行されません。DS2コードをデータベースに送信するには、オプションを設定する必要があります。
  • SAS In-Database Code Accelerator for Teradataでは、データベース内でDS2データプログラムとスレッドプログラムを実行できるようになりました。
  • 新しいDS2構成とランタイムロガーがSASログ機能に追加されました。
SAS 9.4M2では、次のDS2の変更が行われました。
  • SAS In-Database Code Accelerator for Hadoopでは、データベース内でDS2データプログラムとスレッドプログラムが実行されます。
  • 新しい事前定義HTTPパッケージを使用して、WebサービスにアクセスするためのHTTPクライアントを作成できます。
  • 新しいロガーを使用して、SASログ機能によってHTTPトラフィックのログを記録できます。
  • SQLSTMTパッケージのインスタンス作成時に、接続文字列パラメータを使用できます。
2015年2月のリリースでは、SAS In-Database Code Accelerator for HadoopはHCatalogを使用して複雑な非区切りファイルを処理しています。HCatalogを使用すると、SAS In-Database Code Accelerator for HadoopでAvro、ORC、RCFile、Parquetなどのファイルの種類のサポートが可能になります。さらに、現在ではDBCREATE_TABLE_OPTSテーブルオプションを使用して、出力SerDe、Hiveテーブルの出力区切り記号、出力ESCAPED BY文字、およびHiveで許可されたその他のCREATE TABLE構文を指定できます。
SAS 9.4M3では、次の変更と拡張が行われました。
  • SAS In-Database Code Acceleratorでは、SETステートメントを使用した複数テーブルと埋め込みSQLの読み取りのサポート、HDFS-SPDエンジンファイル形式の読み書き、およびSASログからMapReduceジョブへのリンクによるHadoop関連エラーメッセージの検出が行われます。SETステートメントによって複数テーブルと埋め込みSQLがサポートされます。
  • DS2_OPTIONSステートメントを使用すると、DS2プログラムの複数のデフォルト動作を変更できます。
  • FMTINFO( )関数を使用すると、出力形式と入力形式のどちらを使用するのかを決定したり、その出力形式や入力形式に関する情報を取得したりできます。この関数では、出力形式または入力形式のカテゴリ、説明、出力形式幅の値、小数点以下の桁数の値も返されます。
  • 新しい3つのSQLSTMTメソッドを使用すると、列の数、列番号から列名前、そして列番号から列の種類を取得できます。
  • JSON DS2パッケージを使用すると、JSONテキストを解析できます。
  • D2TXパッケージを使用すると、タイムゾーン処理を実行できます。
  • MERGEステートメントを使用すると、データをマッチマージできます。
  • 埋め込みSQLテキストのSELECTステートメントでは、PARTITION BY、ORDER BY、INDSNUM、WHERE句がサポートされます。
  • BESTDOTX.出力形式を使用すると、現在のロケールに関係なくUSロケールベースの値を作成できます。
  • DBCREATE_TABLE_OPTSテーブルオプションを使用すると、テーブルをパーティションに分割できます。
SAS 9.4M4では、次の変更と拡張が行われました。
  • パッケージの内部使用向けの属性やメソッドに対するプライベートアクセス修飾子がサポートされるようになりました。
  • 2つの新しい関数DIFおよびLAGを使用すると、変数や式の前の値にアクセスできます。これらの関数は、ラグと級数の差の計算に役立ちます。
  • DOステートメントで、カンマで区切った複数のインデックス変数句を使用できるようになりました。
  • 新しいINTNEST関数は、より大きな間隔の期間内に収まる小さい間隔の全期間の数を計算します。
  • 3つの新しい自動変数_HOSTNAME_、_NTHREADS_、および_THREADID_を使用すると、スレッド全体の問題をサブセット化できます。
  • TIMEおよびTIMESTAMPの精度は、THREADとDATAの境界を越えて保持されるようになりました。
詳細については、SAS DS2 Language ReferenceBase SAS Procedures Guideを参照してください。

FedSQL言語

SAS FedSQLは、ANSI SQL:1999コア規格のSAS独自の実装です。これにより、新しいデータ型、他のANSI 1999コア準拠機能、独自の拡張がサポートされます。FedSQLが提供するデータのアクセステクノロジにより、スケーラブルで、スレッド対応、ハイパフォーマンスな方法で、複数データソースにあるリレーショナルデータをアクセス、管理、共有できます。可能な場合、FedSQLクエリは、大規模な操作の問題を解決するためにマルチスレッドアルゴリズムを使用して最適化されます。FedSQLは、アプリケーションには、すべてのデータソースにおいて共通のSQL構文を提供します。つまり、FedSQLはベンダに依存しないSQLダイアレクトであり、データソースに固有のSQLダイアレクトでクエリをサブミットせずに各種データソースのデータにアクセスします。さらに、1つのFedSQLクエリで複数データソースのデータをターゲットとして、1つの結果テーブルを返すこともできます。FEDSQLプロシジャを使用すると、Base SASセッションからFedSQL言語ステートメントをサブミットできます。
初回リリースで、FedSQLでは、SASデータセット、SAS Scalable Performance Data Engine (SPD Engine)データセット、およびAster、DB2 for UNIX/PC、Greenplum、MySQL、Netezza、ODBCデータベース(Microsoft SQL Serverなど)、Oracle、SAP (読み取り専用)、Sybase IQ、Teradataなどのデータベースへのアクセスが提供されました。
SAS 9.4M1では、メモリデータストア(MDS)、SAP HANA、SASHDATデータソースのサポートが追加されました。
SAS 9.4M2では、次のFedSQL拡張が行われました。
  • Hive、HDMDおよびPostgreSQLデータソースのサポート。各データソースに対してすべてのFedSQLステートメントがサポートされているわけではありません。ステートメントのサポートを確認するにはFedSQLステートメントのドキュメントを参照してください。
  • ODBCのCAST関数で、あるデータ型から別のデータ型に値を変換できます。
  • インデックスの作成時に、DBMS固有の句を追加できます。
  • SASHDATファイルを圧縮できます。
SAS 9.4M3では、次のFedSQL拡張が行われました。
  • HadoopのHAWQおよびImpalaの配布のサポート。Impalaのサポートにはバルクロードが含まれます。
  • DBCREATE_TABLE_OPTS=テーブルオプションを使用すると、DBMS固有の構文を指定してCREATE TABLEステートメントに追加できます。
  • ENCODING=テーブルオプションを使用すると、SASデータセットに対してエンコーディングを設定できます。
  • HDMDでのデータ定義および読み取りにDECIMAL/NUMERIC(p,s)データ型を使用できます。
  • Hiveでのデータ定義および読み取りにDECIMAL/NUMERIC(p,s)データ型およびVARBINARYデータ型を使用できます。
  • HiveのARRAY、MAP、STRUCT、UNION複合型はHiveから読み取ります。
SAS 9.4M4では、次のFedSQL拡張が行われました。
  • SAS Scalable Performance Data (SPD) Serverテーブルの読み書きに対するサポート
  • 新しいDESCRIBE TABLEステートメント
  • Hiveテーブルの作成および読み取り時の3レベル名に対するサポート
  • 複数の新しい関数に対するサポート
詳細については、SAS FedSQL Language ReferenceBase SAS Procedures Guideを参照してください。

Hadoopのサポート

SAS 9.4M1では、SPD Engineを使用し、HDFSを介してHadoopクラスタのデータの読み取り、書き込み、更新を行えます。さらに、HADOOPプロシジャを使用して、構成プロパティをHadoopサーバーにサブミットできるようになりました。
SAS 9.4M2では、次の拡張が行われました。
  • SAS Hadoop Configuration Guide for Base SAS and SAS/ACCESSは、support.sas.comでHadoopのサードパーティサイトから入手できます。このドキュメントでは、SASテクノロジを使用してHadoopに接続できるようにSASコンポーネントを構成する方法を説明します。
  • Hadoop MapReduceジョブ情報をSASログに書き込むことができます。
  • SPD Engineによって、Hadoopのパフォーマンスが向上されています。
  • WebHDFSからHDFSコマンドをサブミットできます。
SAS 9.4M3では、次の拡張が行われました。
  • HADOOPプロシジャを使用すると、SASクライアントマシンにアクセス可能な物理的な場所にHadoop構成ファイルをコピーして、SAS_HADOOP_CONFIG_PATH環境変数を構成ファイルの場所に設定することで、Hadoopクラスタに接続できるようになりました。また、再帰アクションを要求して、複数のHDFSステートメントオプションに指定したディレクトリおよびサブディレクトリに対する操作を実行することもできます。BINARYおよびDECIMALデータ型に対するサポートが追加され、オプションが追加されて、生成済みSQLコードの自動作成が拡張され、トランスコードエラーが制御されるようになりました。
    HADOOPプロシジャの詳細については、Base SAS Procedures Guideを参照してください。
  • 新しいHDFSステートメントオプションでは、ファイルの内容の表示、ファイルアクセス許可の変更、HDFSファイルのリスト出力が行われます。さらに、Apache Oozie RESTful APIを介してMapReduceプログラムとPig言語コードをHadoopクラスタにサブミットできます。HDFSコマンドの詳細については、“FILENAME (Hadoop Access Method)” (SAS Statements: Reference)を参照してください。
  • SPD Engineでは、HDFSに保存されたデータへの現在のアクセスが、新しい分散ロックマネージャで拡張されています。並列処理はデータの書き込みのために拡張されています。SPDデータセットは、HDFSでHiveを介して読み取れます。詳細については、SAS 9.4 SPD Engine: Storing Data in the Hadoop Distributed File Systemを参照してください。
  • SAS FedSQL言語では、次のデータ型に対するサポートが拡張されました。
    • HDMDでのデータ定義および読み取りのためにDECIMAL/NUMERIC(p,s)データ型がサポートされます。
    • Hiveでのデータ定義および読み取りのためにDECIMAL/NUMERIC(p,s)データ型およびVARBINARYデータ型がサポートされます。
    • HiveのARRAY、MAP、STRUCT、UNION複合型はHiveから読み取ります。
    さらに、SQOOPプロシジャを使用すると、SASセッション内でApache Sqoopにアクセスして、データベースとHDFS間でデータを転送できます。SQOOPプロシジャの詳細については、Base SAS Procedures Guideを参照してください。
SAS 9.4M4から、FILENAMEステートメントのHadoopアクセス方式で、Knoxセキュリティがサポートされるようになりました。
詳細については、次のドキュメントを参照してください。

パフォーマンスの向上

  • 大量のデータをより効率的に処理するために、新しいシステムオプションでは、ページ境界でデータとユーティリティファイルを揃え、SASライブラリのページサイズをRAIDストライプと同じサイズに設定できます。
  • ページサイズと論理レコード長のデフォルトサイズを決定する最適化プロセスが拡張されました。
  • Scalable Performance Data Engine (SPD Engine)では、開いているSPD Engineファイルのキャッシュが可能です。
SAS 9.4M2では、SPD EngineによってI/O制御と効率が拡張され、Hadoopのパフォーマンスが向上します。

セキュリティの強化

  • SAS/SECUREはSAS Systemの製品で、現在はBase SASに組み込まれています。以前のリリースでは、SAS/SECUREは、別々にライセンスされたアドオン製品でした。SAS/SECUREの個別ライセンスは必要なくなりました。この変更によって、すべての配置で強力な暗号化を行えるようになりました(輸入制限による禁止の場合を除く)。
  • SAS/SECUREでは、業界標準の高度暗号化標準(AES)と64ビットのsaltを使用して、セキュリティを強化します。セキュリティをサポートするSAS言語コンポーネントでは、AES暗号化を使用して、SASデータを暗号化して保護します。
  • SASでは、大文字と小文字が混在するパスワード、最大で100文字までのパスワードフレーズに対するIBM標準がサポートされます。
  • SASデータセットのセキュリティを強化するには、メタデータオブジェクトに関連付けられた物理ライブラリであるメタデータバインドライブラリに配置します。
  • SASログ機能では、SAS/CONNECT Spawnerと暗号化アクティビティのサポートと、ログ構成の変更、SASデータセットのアクセス、メタデータバインドライブラリのアクセスの監査がサポートされます。ロガーアクティビティとレベル設定のセキュリティを強化できます。
  • 電子メールのセキュリティが拡張されました。
SAS 9.4M1では、UNIXとz/OS Foundation Serverに対するTLS証明機関の新しいデフォルト場所が提供され、UNIXとz/OSのクライアント/サーバーでのTLS証明書のサブジェクト代替名に対するサポートが実装されました。また、このリリースでは新たに、メタデータバインドライブラリに対して権限のあるユーザーが、キー入力コードを指定しなくてもデータにアクセスできるようになりました。
SAS 9.4M3では、SAS Deployment Wizardによって、UNIXおよびz/OS環境内やWindowsおよびUNIX上のJavaアプリケーション用のTLS証明書の更新処理が自動化されています。UNIXおよびz/OS環境では、インストールプロセスで、信頼できるCA証明書のMozillaバンドルが設定されます。インストールには、証明書の信頼リストとして使用されるファイルも含まれます。UNIX環境では、信頼できる証明書は、SAS-installation-directory/SASSecurityCertificateFramework/1.1/cacerts/trustedcerts.pemの信頼できるCAバンドルに置かれるようになりました。インストール中に、SAS Deployment Wizardによって、SAS-installation-directory/sasv9.cfgファイルでSSLCALISTLOCシステムオプションがtrustedcerts.pemファイルを示すように設定されます。
SAS Deployment Managerを使用すると、証明書の信頼できるバンドルに証明書を追加したり、その証明書を削除したりすることができます。新しい環境変数を使用すると、OpenSSLに対する最小TLSプロトコルの指定や、OpenSSL暗号の指定を行えます。
SASでは、UNIXおよびz/OSでTLSのOpenSSLバージョンが提供されます。SAS 9.4リリースおよびSAS 9.4のすべてのメンテナンスリリースでは、ソフトウェアリリース時にOpenSSLの更新バージョンが提供され、ホットフィックスを介して最新の状態に保たれます。SASコンポーネントを考慮したOpenSSLセキュリティアドバイザリの最新情報については、SAS Statement Regarding OpenSSL Security Advisoriesを参照してください。

新しいサポート環境でのDATAステップの実行

SAS 9.4M1では、DATAステップが、SAS LASR Analytic Server内とHadoop内で、SAS/ACCESSとSAS Embedded Processを使用して、制限付きでIn-Memoryを実行しました。HadoopのDATAステップ処理はプリプロダクション版です。
SAS 9.4M2では、HadoopのDATAステップ処理が、プリプロダクションステータスからプロダクションステータスに移動しました。
詳細については、SAS LASR Analytic Server: Reference GuideおよびSAS In-Database Products: User’s Guideを参照してください。

SAS出力の拡張

  • Output Delivery System (ODS)のレポート作成インターフェイス(RWI)では、事前定義されたODSオブジェクトをDATAステップで作成、操作して、高度にカスタマイズされた出力を作成できます。
  • 新しいODS出力先を使用すると、EPUB、HTML5、Microsoft PowerPointファイルを作成できます。
  • テキストの作成とテンプレートのリストが可能になりました。
  • ODS出力オブジェクトをページ上の位置に正確に配置したり、グリッド構造を使用した動的配置を行ったりすることができます。
  • 新しいプロシジャでは、1つのステートメントで、テーブルテンプレートが作成され、入力データセットにバインドされます。
  • システムオプションを設定して、複数ページのGIFイメージとSVGファイルをアニメーション表示にできます。
SAS 9.4M1では、カスケーディングスタイルシートの適用が可能になりました。また、EPUB 3標準のサポートが実装されました。
SAS 9.4M2では、EPUB、EPUB3およびHTML5出力先の拡張が行われました。
SAS 9.4M3では、次の拡張が行われました。
  • ODS EXCELステートメントを使用するMicrosoft Excelのサポート。
  • 新しいプロシジャMSCHARTでは、Microsoft Excelで開いたり操作したりできるチャートが作成されます。
  • デフォルトEPUBバージョンはEPUB3です。
  • ODS EPUB3では、埋め込みビデオ、オーディオ、およびイメージがサポートされます。この機能は、レポート作成インターフェイス(RWI)、およびODS ESCAPECHARステートメントと一緒に使用されるインラインフォーマティング関数を使用して提供されます。
  • ODS EPUB3ステートメントでは、目次内の数字やカスタムエントリに対する新しいEVENT=値がサポートされます。
  • ODS POWERPOINTステートメントでは、スライド背景に対するスタイルオプションがサポートされるようになりました。このステートメントでは、スライド切り替えの変更とその効果もサポートされます。
  • ODS HTML5では、埋め込みビデオおよびオーディオがサポートされます。この機能は、レポート作成インターフェイスを使用して提供されます。
SAS 9.4M4では、次の拡張が行われました。
  • 新しいHEADINGステートメントがODSTEXTプロシジャに追加されました。
  • 新しいDESCRIPTION=オプションが、メソッドIMAGE、LAYOUT_ABSOLUTE、LAYOUT_GRIDDED、REGION (絶対)、REGION (グリッド)、TABLE_STARTに追加されました。
  • 新しいDESCRIPTION=オプションでは、レイアウトやレイアウト領域の代替テキストが指定されます。DESCRIPTION=オプションが新しく追加されたのは、ステートメントODS LAYOUT ABSOLUTE、ODS LAYOUT GRIDDED、ODS REGIONステートメント(絶対)、ODS REGIONステートメント(グリッド)です。
  • ODS GRAPHICSステートメントでは、次のオプションがサポートされています。
    • NBINSMAX=では、ヒストグラムのために処理されるビンの最大数を指定します。
    • NXYBINSMAX=では、ヒートマップのために処理されるビンの最大数を指定します。
    • ODS HTML5出力先では、アクセシビリティがサポートされています。
    • 新しいプリプロダクションACCESSIBLE_GRAPHオプションが、ODS HTML5ステートメントに追加されました。ACCESSIBLE_GRAPHオプションでは、ODS Graphicsで作成されたグラフにアクセシビリティメタデータが追加されます。
      視覚障害のあるユーザーは、SAS Graphics Acceleratorを使用してグラフにアクセスできます。このアクセラレータは、メタデータで作成されたSASデータビジュアルの代替表現をユーザーに提供します。詳細については、SAS Graphics Acceleratorのソフトウェア製品ページを参照してください。
詳細については、SAS Output Delivery System: User’s GuideSAS Language Reference: Concepts、およびSAS System Options: Referenceを参照してください。

ODS統計グラフの拡張

  • ODS Graphics製品に、軸に沿ったテキストデータの行または列を作成する軸テーブルなど、複数の新しいプロットの種類が用意されました。
  • グラフ出力の制御と拡張のために、多くのプロットレイアウト、パネル、軸のオプションが追加されました。たとえば、ODSスタイルテンプレートを変更せずにグループ値の表示属性をカスタマイズできるようになりました。また、グラフデータ属性のローテーションに色を優先させるパターンを指定することもできます。
  • 新しいサブピクセル表示機能によって、折れ線グラフの曲線がより滑らかになり、棒グラフの間隔調整がより統一的になりました。
  • ODS Graphics製品には、テキストを通常表示する余地がない場合にデータラベル、曲線ラベル、軸目盛値を調整または分割するための追加オプションが提供されました。データラベル位置指定アルゴリズムが向上し、データラベルとそのデータマーカーの位置指定が向上されました。さらに、複数のオブザベーションに同じ応答値がある場合、データマーカーを調整できるようになりました。
  • ODS Graphics Designerには、データに基づいてさまざまなグラフを自動生成する自動チャート機能が導入されています。
  • ODS Graphics製品スイートには、Graph Template Language、ODS Graphicsプロシジャ、ODS Graphics Designer、ODS Graphics Editorが含まれます。
SAS 9.4M1では、ODS Graphicsのプロット、チャート、パネルの追加や変更が行われました。
SAS 9.4M2では、ODS Graphicsに、新しいテキストプロットと、グラフィック出力に対する複数の拡張があります。
SAS 9.4M3では、ODS Graphicsに複数の新しいプロットステートメントが追加され、プロット、凡例、軸、軸テーブル、属性マップに対して広範囲の拡張が行われました。ODS Graphics Designerを使用すると、より高度なグラフを作成できます。ODS Graphics Editorでは、新しいプロットの種類の編集や、SAS/QCプロシジャで生成されたグラフの属性の注釈設定や編集がサポートされます。ODS Graphics Editorのビューポート関数が3-Dグラフのビューを調整し、ヒストグラムおよび密度プロットでグループがサポートされます。すべてのODS Graphicsについて、サブピクセル表示を導入した結果、イメージがより鮮明になりました。
SAS 9.4M4から、次の新機能と拡張が実装されました。
  • ELLIPSEステートメントがSGPANELプロシジャに追加されました。このステートメントは、信頼楕円や予測楕円を別のプロットに追加します。
  • 新しいELLIPSEPARMステートメントが、SGPLOTおよびSGPANELプロシジャに追加されました。ELLIPSEPARMステートメントは、指定した軸の長さ、指定した長軸の傾き、および楕円の中心を使用して楕円をプロットします。ELLIPSEPARMステートメントが楕円の位置と形状を導き出すために入力データに対して計算を実行することはありません。
  • NBINSMAXおよびNXYBINSMAXオプションがODS GRAPHICSステートメントに追加されました。これらのオプションでは、それぞれ、ヒストグラムとヒートマップのために処理されるビンの最大数を指定します。
  • LINEJOINオプションが、Graph Template LanguageのSERIESPLOTステートメントに追加されました。このオプションでは、区分線の頂点の形状を指定できます。
  • SAS ODS Graphics: Procedures Guideのアクセシビリティトピックが拡張され、ODS Graphicsプロシジャで作成したグラフのアクセシビリティについての情報が追加されました。

ロックダウン状態

SAS 9.4M1では、SAS Server管理者は、クライアント/サーバー環境で実行する場合にSASクライアントにディレクトリとファイルの特定セットへのアクセスを許可する環境を作成できます。それ以外のすべてのディレクトリとファイルへのアクセスはできません。SASがロックダウン状態の場合、複数のSAS言語要素へのアクセスが制限されます。
SAS 9.4M2では、SASセッションがロックダウンされると、デフォルトで特定のアクセス方式とその関連プロシジャが無効化されます。
詳細については、SAS Language Reference: Conceptsを参照してください。各SAS製品でこの機能をサポートするかどうかを確認するには、そのSAS製品の管理者ガイドを参照してください。

データセットと変数のカスタマイズ属性の作成

データセットと変数の属性を作成し、拡張属性を使用して入力した情報を含めることができます。拡張属性はデータセットの一部であり、DATASETSプロシジャによって管理されます。データセットを処理するプロシジャ(CPORT、DOWNLOAD、SQLなど)では、拡張属性がサポートされます。詳細については、SAS Language Reference: Conceptsを参照してください。

SASセッション間のSAS環境の保持

Workライブラリのデータセットとカタログや、グローバルステートメントの値、マクロ変数の値、システムオプションの値をSASセッション間で保持できます。詳細については、SAS Language Reference: ConceptsSAS System Options: Reference、およびBase SAS Procedures Guideを参照してください。

JavaScript Object Notation (JSON)の書き込み

SASデータセットは、JSON表現で外部ファイルに書き込まれます。SAS 9.4M3では、DS2 JSONパッケージを使用すると、JSONテキストの作成と解析を行えます。
SAS 9.4M4では、JSON LIBNAMEステートメントを使用して、ライブラリ参照名とJSONドキュメントを関連付けられます。
詳細については、Base SAS Procedures Guideを参照してください。

JMPを使用したSASデータセットの表示

JMP Graph Builder iPadなどのJMPアプリケーションを使用すると、SASデータセットをJMPファイルに変換して表示できます。詳細については、Base SAS Procedures GuideおよびSAS Statements: Referenceを参照してください。

ストリームデータの処理

  • SAS 9.4では、入力ストリームのSASマクロ指定を含む任意のテキストが処理されます。ストリームのマクロコードは、展開してファイルに保存されます。
  • ストリームレコード形式は、SFTPアクセス方式で処理されます。データは、イメージ(バイナリ)モードで転送されます。
詳細については、Base SAS Procedures GuideおよびSAS Statements: Referenceを参照してください。

SharePointドキュメントライブラリへの書き込み

WebDAVアクセス方式を使用すると、SharePointドキュメントライブラリへのファイル書き込み、認証ドメインメタデータオブジェクトの名前指定、ディレクトリの作成と削除を行えます。詳細については、SAS Statements: Referenceを参照してください。

ユーザーテキストの読み取り

DATAURLアクセス方式によって、文字、URLエンコード文字、BASE64データが読み取られます。詳細については、SAS Statements: Referenceを参照してください。

ZIPファイルの読み取り

新しいZIPアクセス方式によって、ZIPファイルが読み取られます。詳細については、SAS Statements: Referenceを参照してください。

タイムゾーンを使用した時間値と日時値の処理

SAS言語では、協定世界時(UTC)に基づくタイムゾーンがサポートされるようになりました。データセットとカタログのタイムスタンプでは、特定のタイムゾーンに基づいて時間を指定できます。特定のタイムゾーンを指定することも、地域を指定し、SASに東部標準時を考慮してその地域の時間を決定させることもできます。
SAS 9.4M2には、複数の新しいタイムゾーン関数が含まれています。

データセットのロケール情報管理

データセットにロケール情報を含めた後に、そのデータセットを使用してSASのロケールを構成できます。新しいプロシジャでは、データセットが管理され、SASレジストリにロケール情報が書き込まれます。詳細については、SAS National Language Support (NLS): Reference Guideを参照してください。

出力に使用する言語の変更

システムオプションを使用して、SAS出力とSASログの言語を変更できます。詳細については、SAS National Language Support (NLS): Reference Guideを参照してください。

SASとSASアプリケーションについての詳細な監査とレポート

  • 新しいロガーは、ログ構成、SASデータセットへのアクセス、メタデータバインドライブラリを監査します。
  • ARM_DSIOサブシステムには、データセット情報をレポートする新しいARMメトリックが提供されました。
SAS 9.4M2では、ログファイルの権限と出力先に対する追加制御が可能です。

クラスタ化または単一SAS Metadata Serverのサポート

SAS 9.4では、SAS Metadata Serverは、クラスタ化されたメタデータサーバーまたは単一メタデータサーバーとして構成できます。SASからのクラスタのモニタと管理を可能にする拡張の詳細については、SAS Language Interfaces to Metadataを参照してください。

SASファイルの移送

SAS 9.4M2では、自動呼び出しマクロを使用して、SASバージョン5 (V5)またはSASバージョン8 (V8)形式の移送ファイルの読み取りと書き込みを行うことができます。
SAS 9.4M4で次の新機能が追加されました。
  • 自動呼び出しライブラリの%XPTCOMMNマクロが更新されました。これにより、データセットをV5仕様に適合させ、%LOC2XMPマクロを使用してV5またはV6移送ファイルを作成する場合に、PROC COPYおよびXPORTエンジンでそのファイルを読み取れるようになりました。
  • 自動呼び出しライブラリの%XPT2LOCマクロが更新されました。これにより、memnameのnリテラル化が必要な場合、移送ファイルで名前に引用符が含まれなくなりました。また、nリテラル化は、ローカルSASデータセットに変換するためのDATAステップコードの生成時に行われるように変更されました。
詳細については、Moving and Accessing SAS Filesを参照してください。

SASプロシジャの全般的な拡張

SAS 9.4M1では、プロシジャの変更と拡張によって、移送ファイルのデータセットのエンコーディングの識別、タイムゾーンオフセットを含むデータセットの移送、Metadata ServerからのSAS Content Serverへのアクセス用ワンタイムパスワードの生成、ユーザーID認証のサポートが可能になりました。Microsoft Excel関数のリンクとサポートテキストが追加されました。
SAS 9.4M2では、次の拡張が行われました。
  • DS2とFedSQLでは、NLSトランスコードの失敗が発生した場合のSASセッションの動作を制御できます。
  • インポートされたファイルの並べ替えをターゲットの照合順序に従って制御できます。
  • SASログでパスワードが非表示にされます。
  • REPORTプロシジャで、複数の統計キーワードがサポートされます。
SAS 9.4M3では、次の拡張が行われました。
  • LUAプロシジャを使用すると、SASセッション内でLUAコードを実行できます。LUAプロシジャによって、LUAコードのブロック内でSAS関数を呼び出すこともできます。
  • 次のプロシジャは、Impala、HAWQ、およびSAP HANAデータベース管理システムをサポートしています。
    • DS2プロシジャ
    • FedSQLプロシジャ
    • MEANSプロシジャ
    • RANKプロシジャ
    • REPORTプロシジャ
    • SORTプロシジャ
    • SUMMARYプロシジャ
    • TABULATEプロシジャ
SAS 9.4M4では、PROC RANKおよびPROC SORTで、Hiveデータベース管理システムがサポートされています。
詳細については、Base SAS Procedures Guideを参照してください。

Base SAS統計プロシジャの拡張

  • CORRプロシジャで、ポリコリック相関統計量を含む出力データセットと、ポリシリアル相関統計量を含む出力データセットを作成できるようになりました。
  • FREQプロシジャで、次が可能になりました。
    • Baker、正確なmid-p、尤度比、ロジット二項信頼限界のサポート
    • オッズ比と相対リスクのスコア信頼限界の提供、およびプロットでの表示
    • 共通リスク(比率)差のMantel-Haenszel、層化Newcombeおよび要約スコア推定値(リスク差プロットに表示可能)の提供
    • 正確検定のmid p値の生成
    • Pearson残差または標準化残差の値に基づくモザイクプロットタイルの色付け
    • CROSSLIST表でのPearson残差の表示
  • UNIVARIATEプロシジャでは、CLASS変数の別の水準に関連付けられているヒストグラムを単一プロットで重ね合わせられるようになりました。また、Johnson SU分布パラメータの改良型の最尤法が提供され、分析変数の幾何平均が計算されます。
詳細については、Base SAS Procedures Guide: Statistical Proceduresを参照してください。

UNIX版のSAS

SAS 9.4M1では、SASプログラムによって、UNIX環境でActiveMQメッセージブローカや任意のJMS API準拠メッセージサービスからメッセージの送信とメッセージの受信を行えます。
SAS 9.4M2では、次の拡張が行われました。
  • ファイル参照名の読み取り、書き込みおよび実行権限を指定できます。
  • MVARSIZEシステムオプションのデフォルトが32000から65534に変更されました。
  • ロックダウン状態の場合、デフォルトでは一部のFILENAMEステートメントのアクセス方式が使用できませんが、SAS Server管理者による再有効化が可能です。詳細については、ロックダウン状態を参照してください。
  • UNIX環境変数について新しい情報が使用できます。
  • システムパフォーマンスを測定できます。
SAS 9.4M3では、CONTENTSプロシジャによってKB、MB、またはGB単位でファイルのサイズが生成されます。
SAS 9.4M4では、cleanworkユーティリティに、–Vと–LOGという2つの新しいオプションが追加されました。
詳細については、SAS Companion for UNIXを参照してください。

Windows版のSAS

SAS 9.4M1では、Windows 32ビットアーキテクチャをサポートする詳細が追加されました。
SAS 9.4M2では、次の拡張が行われました。
  • 一時ファイルをクリアするユーティリティが提供されます。
  • ファイル参照名の読み取り、書き込みおよび実行権限を指定できます。
  • ロックダウン状態の場合、デフォルトでは一部のFILENAMEステートメントのアクセス方式が使用できませんが、SAS Server管理者による再有効化が可能です。
SAS 9.4M3から、SAS配置でWindows 8.3のファイル名サポートが不要になりました。以前のリリースでは、SASをインストールする前に、このファイル名規則を有効化する必要がありました。
詳細については、SAS Companion for Windowsを参照してください。

z/OS版のSAS

SAS 9.4M2では、次の拡張が行われました。
  • テープデバイス上のSASライブラリに対して大きなブロックサイズをサポートし、パフォーマンスと効率を向上します。
  • Foundation ServerのLOCKDOWN機能がサポートされます。
  • 一部のダイレクトアクセスバインドライブラリの読み取り操作に対してTCWチャネルプログラムを生成し、I/Oパフォーマンスを向上します。
SAS 9.4M4には、次の新機能が追加されています。
  • .spds9ファイル拡張子がサポートされます。
  • FILE/INFILEステートメント処理で、BUFNO= SASシステムオプションがサポートされます。
  • IBM z/OS V2R2拡張形式の世代別データグループ(GDG)に対するサポートがSASに追加されました。これにより、世代データセットを999個までGDGに関連付けられます。
詳細については、SAS Companion for z/OSを参照してください。

追加情報

詳細については、次のリソースを参照してください。
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最終更新: 2017/07/28