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パネルデータ:線形回帰分析

パネルデータについて:線形回帰分析タスク

パネルデータ:線形回帰分析タスクでは、時系列データとクロスセクション(横断面)データを組み合わせて作成される線形計量経済モデルを分析します。この種の時系列クロスセクションベースのプールドデータは、よくパネルデータと呼ばれます。パネルデータの一般的な例としては、世帯、国、会社、取引などに関する経時的なオブザベーションが挙げられます。たとえば、世帯収入に関する調査データの場合、同じ世帯を異なる期間(年)に繰り返し調査することによってパネルが作成されます。
注: このタスクを使用するには、SAS/ETSのライセンスが必要です。タスクのバージョンは、サイトで利用可能なSAS/ETSのバージョンによって異なります。たとえば、サイトでSAS 9.3のメンテナンスリリース2を実行している場合は、SAS/ETS 12.1が利用可能であり、SAS Studioではバージョン1のパネルデータ:線形回帰分析タスクが実行されます。サイトでSAS 9.4以降を実行していて、SAS/ETS 12.3以降を利用できる場合は、SAS Studioではバージョン2のパネルデータ:線形回帰分析タスクが実行されます。2つのバージョンの違いは、SAS/ETS 12.3以降には新しいオプションが追加されていることです。

例:パネルデータを扱う線形回帰分析

この例を作成するには、次の操作を実行します。
  1. WORK.GREENEデータセットを作成します。詳細については、GREENEデータセットを参照してください。
  2. タスクセクションで、計量経済フォルダを展開し、パネルデータ:線形回帰分析をダブルクリックします。パネルデータ:線形回帰分析タスクのユーザーインターフェイスが開きます。
  3. データタブで、WORK.GREENEデータセットを選択します。
  4. 次の役割に列を割り当てます。
    役割
    列名
    従属変数
    コスト
    連続変数
    生産
    クロスセクション ID
    会社
    時系列 ID
  5. タスクを実行するには、実行をクリックします。
PANELプロシジャの結果の例

役割へのデータの割り当て

パネルデータ:線形回帰分析タスクを実行するには、従属変数クロスセクション IDおよび時系列 ID役割に列を割り当てる必要があります。
役割
説明
従属変数
カウント値を持つ数値列を指定します。従属カウント変数では、入力データセット内の負でない整数値のみを扱う必要があります。
連続変数
回帰分析モデルの独立共変量(回帰変数)を指定します。連続変数を指定しない場合、タスクでは切片のみを使用するモデルの当てはめを行います。
カテゴリ変数
分析でデータのグループ化に使用する変数を指定します。
クロスセクション ID
各オブザベーションのクロスセクションを指定します。タスクでは、入力データがクロスセクションIDで並べ替えられ、さらに各クロスセクション内の時系列IDで並べ替えられることが検証されます。
時系列 ID
各オブザベーションの期間を指定します。タスクでは、時系列IDの値がすべてのクロスセクションで同じであることが検証されます。

モデルオプションの設定

オプション
説明
モデル
モデルの種類
ランダム効果モデルを作成するか、固定効果モデルを作成するかを指定します。
注: このセクションで使用可能な残りのオプションは、ランダム効果を作成するか、固定効果を作成するかによって異なります。
モデルに切片を含める
モデルで切片を使用するかどうかを指定します。このオプションは、ランダム効果モデルと固定効果モデルのどちらを作成するかにかかわらず適用されます。
注: このオプションは、SAS 9.4以降を実行している場合にのみ使用できます。
ランダム効果
ランダム効果
1元と2元のどちらのランダム効果モデルを推定するかを指定します。デフォルトでは、1元ランダム効果モデルが推定されます。
分散成分推定法
使用する分散成分推定の種類を指定します。推定の種類の詳細については、SAS/ETS User's GuideのPANELプロシジャの説明を参照してください。
ランダム効果の検定
一元 Breusch-Pagan 検定
二元 Breusch-Pagan 検定
ランダム効果に対してBreusch-Pagan 1元または2元検定を要求します。
固定効果
固定効果
1元と2元のどちらの固定効果モデルを推定するかを指定します。
固定効果を表示する
結果に固定効果を含めるかどうかを指定します。
注: このオプションは、SAS 9.4以降を実行している場合にのみ使用できます。

オプションの設定

オプション
説明
手法
共分散行列推定量
共分散行列の推定量を指定します。次のオプションのいずれかを選択できます。
  • Newey and West
    注: このオプションは、SAS 9.4以降を実行している場合にのみ使用できます。
  • OLS推定量では、分散共分散行列が修正されないことを指定します。
  • HCCMEnでは、不均一分散性修正共分散行列を指定します。nは、0から4の値です。
不均一分散性を満たす共分散行列のクラスター補正
分散共分散行列のクラスタ修正を指定します。
注: このオプションは、共分散行列推定量にHCCME0からHCCME3のいずれかのオプションを選択した場合にのみ使用できます。
統計量
結果に、タスクによってデフォルトで作成される統計量を含めるか、デフォルトの統計量と追加で選択した統計量を含めるか、あるいは統計量を一切含めないかを指定できます。
結果に含めることができる情報を次に示します。
  • パラメータ推定値の相関行列
  • パラメータ推定値の共分散行列
  • 目的関数とパラメータ推定値の反復過程
ブロット
診断プロット
次の種類の診断プロットを表示できます。
  • 予測値と実績値のプロット
  • 残差のQQプロット
  • 残差とオブザベーションのプロット
  • 残差のヒストグラム
クロスセクションプロット
次の種類のプロットを表示できます。
  • 実績値と時系列のプロット
  • 予測値と時系列
  • 積み上げ残差と時系列
  • 残差と時系列
1時系列プロットのクロスセクション数
1つの時系列プロットに組み込むクロスセクションの数を指定します。
注: このオプションは、表示形式オプションで、個々のプロットを選択している場合にのみ使用できます。
表示形式
プロットをパネルに表示するか、個別に表示するかを指定します。
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