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SAS 9.4 ステートメントの新機能

概要

新しい機能と拡張機能を使用して、次を実行できます。
  • SharePointドキュメントライブラリへのファイルの書き込み
  • ユーザー指定のテキストからのデータの読み込みとZIPファイルのアクセス
  • データセットから読み込んだオブザベーション数を含む変数を作成および名前を付与
  • 読み込むデータセットのインデックスの先頭からKEY=オプションに指定された値の検索を開始するかどうかをコントロール
  • WebDAVアクセス方式を使用して、WebDAVサーバーに接続し、ディレクトリとそのすべてのメンバを削除し、親ディレクトリから新規ディレクトリを作成するには、認証ドメインメタデータオブジェクトの名前を指定します。
  • AES (Advanced Encryption Standard)で暗号化されたSASデータファイルを開きます。
  • 自動的に拡張ファイル形式でSASデータファイルを作成します。このファイル形式では32ビット長の制限を超えてオブザベーションをカウントすることができます。
  • 圧縮されたデータセットを作成するかどうかを指定します。このデータセットのオブザベーションはランダムにも順次にもアクセスできます。
  • URLアクセス方式を使ってプロキシを通してURLにアクセスしている時に、Accept:ヘッダーを指定して、クライアントとプロキシ間の接続とプロキシとサーバー間の接続を作成します。
  • SFTPアクセス方式を使用して、データをイメージ(バイナリ)モードで転送します。
  • お使いのSASクライアントが一連のディレクトリやファイルにアクセスできるかどうかを制御します。
  • HTMLを使用して電子メールに添付ファイルを埋め込みます。また、コンテンツタイプとしてmessage/rfc822を使用できるようになりました。
  • HDFSコマンドをWebHDFS経由でサブミットします。
  • FILENAMEステートメントのFTPアクセス方式は現在、TLS (Transport Layer Security)を使用してセキュアFTPをサポートしています。
  • FILENAMEステートメントのHadoopアクセス方式は現在、SAS_HADOOP_CONFIG_PATH環境変数をサポートしています。
  • ワイルドカード(*)は現在、ZIPファイルのエントリを読み込んだり存在を確認するために、FILENAMEステートメントのZIPアクセス方式のMEMBER=構文でサポートされています。
  • FILENAMEステートメントのZIPアクセス方式では、新しいオプションNAMEENCODINGによって、ZIPファイルエントリ名およびコメントに対して、現在のセッションエンコーディングとは異なるエンコーディングを指定できます。

SharePointのファイルへの書き込み

FILENAMEステートメント、WebDAVアクセス方式を使用して、SharePointドキュメントライブラリのファイルへの書き込みができます。SharePointサイトのファイルに書き込みを可能にするには、SHAREPOINT_COMP_MODE環境変数を設定してください。

新しいSASステートメント

次のSASステートメントが新たに追加されました。
ユーザー指定のテキストからデータを読み込めるようにします。
ZIPファイルにアクセスできるようにします。

SASステートメントの拡張

次のSASステートメントが拡張されました。
  • SAS 9.4の2番目のメンテナンスリリースでは、HTMLを使用して電子メールに添付ファイルを埋め込めるようになりました。また、コンテンツタイプとしてmessage/rfc822を使用できるようになりました。
  • EMAILアクセス方式でSMTPサーバーの応答を待つデフォルト時間は30秒です。SMTPサーバーの中にはクライアントからコマンドに確認を送るのに、他より時間がかかるものもあります。新たに加わったEMAILACKWAIT=システムオプションで待ち時間を指定できます。
  • EMAILHOSTシステムオプションでSSLまたはTSLプロトコルを指定することにより、セキュアSMTPサーバーでもEMAILアクセス方式を使用することができます。TLSとSSLはクライントと送信SMTPサーバー間のデータを暗号化します。この暗号化は、クライアント(送信者)とメッセージの送信者の間の暗号化された接続を保証するわけではありません。メッセージレベルの暗号化とデジタル署名については、現在、サポートしていません。
SAS 9.4のメンテナンスリリース3では、次の拡張が行われました。
  • ファイル名にUTF-8文字を含められます。FTPサーバーがOPTS UTF8 ONまたはOPTS UTF-8 ON FTPプロトコルコマンドをサポートしているホストのみ、そのファイル名を読み込めます。
  • FTPアクセス方式は現在、TLS (Transport Layer Security)を使用してセキュアFTPをサポートしています。3つのステートメントオプションAUTHTLS、PBSZ、PROTのそれぞれによって、FTP AUTH TLSコマンドの発行、FTPデータチャネル保護バッファサイズの指定、FTPデータチャネルセキュリティコマンドの指定を行えます。新しい環境変数SAS_FTP_AUTHTLSでは、TLS認証の有効化方法を指定できます。
  • SAS 9.4のメンテナンスリリース3では現在、Hadoopアクセス方式でSAS_HADOOP_CONFIG_PATH環境変数がサポートされています。今後は複数のHadoop構成ファイルのプロパティを単一構成ファイルにマージしたり、CFG=オプションを指定したりする必要はありません。また、CONCATおよびDIR Hadoopオプションは、SAS_HADOOP_CONFIG_PATH環境変数が使用可能であるため、現在は相互に排他的です。
  • SAS 9.4の2番目のメンテナンスリリースでは、WebHDFS経由でHDFSをサブミットできるようになりました。これを行うには、新しいSAS環境変数SAS_HADOOP_RESTFULを定義し、その値を1に設定する必要があります。さらに、Hadoop構成ファイルには、WebHDFSロケーションのプロパティを記述する必要があります。
  • 新規オプションNEWを出力モードでDIRオプションと一緒に使用して、FILENAME Hadoopステートメントで指定したディレクトリを作成します。
  • ストリームレコード形式がRECFM=オプションに追加されました。データはイメージ(バイナリ)モードで転送されます。読み込むデータ量は、現在のLRECLの値またはINFILEステートメントに指定したNBYTE=変数の値で制御されます。
  • 新しいオプションOPTIONSXを使用すると、秘密鍵とパスフレーズをサブミットし、SASログでこれらを隠すことができます。FILENAME SFTPステートメントを含むコードを、Windowsワークスペースサーバーで実行されているSAS Enterprise Guideからサブミットする場合、認証が必要とされるときは、秘密鍵とパスフレーズが必要です。
  • 新しいオプションACCEPTにはAccept:ヘッダーを指定します。
  • 新規オプションCONNECTはプロキシを通してURLにアクセスしている時に、クライアントとプロキシ間の接続とプロキシとサーバー間の接続を作成します。
  • 新規オプションAUTHDOMAINは、WebDAVサーバーへの接続に使用する認証ドメインメタデータオブジェクトの名前を指定します。認証ドメインは、明示的に認証情報(ユーザーIDとパスワード)を指定する必要がない場合に、認証情報を参照します。
  • 新しいオプションDEL_ALLはディレクトリとそのすべてのメンバを削除します。
  • 新しいオプションMKDIRはexternal-fileオプションに指定された親ディレクトリから作成される新規ディレクトリを指定します。
SAS 9.4のメンテナンスリリース3では、次の拡張が行われました。
  • 新しいオプションNAMEENCODINGによって、ZIPファイルエントリ名およびコメントに対して、現在のセッションエンコーディングとは異なるエンコーディングを指定できます。
  • ワイルドカード(*)は現在、ZIPファイルのエントリを読み込んだり存在を確認するために、MEMBER=構文でサポートされています。
  • EXTENDOBSCOUNTER=オプションはデフォルトでYESに設定され、拡張ファイル形式でSASデータファイルが作成されるようになりました。拡張されたファイル形式では32ビット長の制限を超えてオブザベーションをカウントできます。
  • 新規オプションPOINTOBSは、圧縮されたデータセットを作成するかどうかを指定します。このデータセットのオブザベーションはランダムにも順次にもアクセスできます。
新しいオプションNOMSGはSASログへのエラーおよび警告メッセージを無効にします。
  • 新しいオプションCUROBSはデータセットから読み込んだオブザベーション番号を含む変数を作成および名前を付与します。
  • 新しいオプションKEYRESETは読み込むデータセットのインデックスの先頭からKEY=オプションに指定された値の検索を開始するかどうかをコントロールします。KEYRESET変数の値が1の場合、インデックスの一番上から検索します。KEYRESET変数の値が0の場合、インデックスの検索はリセットされないので、最後の検索のつづきから検索します。
新規オプションENCRYPTKEY=は、SASFILEステートメントでAES (Advanced Encryption Standard)で暗号化されたSASデータファイルを開きます。
  • 新しいオプションCUROBSはデータセットから読み込んだオブザベーション番号を含む変数を作成および名前を付与します。
  • 新しいオプションKEYRESETは読み込むデータセットのインデックスの先頭からKEY=オプションに指定された値の検索を開始するかどうかをコントロールします。KEYRESET変数の値が1の場合、インデックスの一番上から検索します。KEYRESET変数の値が0の場合、インデックスの検索はリセットされないので、最後の検索のつづきから検索します。

ロックダウン状態での制限

SAS 9.4の最初のメンテナンスリリースで、LOCKDOWNステートメントとLOCKDOWNシステムオプションが新しく追加されました。LOCKDOWNを使用すると、クライアント/サーバー環境で実行(たとえば、SAS Enterprise Guideを使用)している場合、SAS Server管理者が、SASクライアントからアクセスするディレクトリおよびファイルの環境を作成できます。それ以外のディレクトリおよびファイルはすべてアクセスできません。また、ディレクトリやファイルに関する制限が存在することに加えて、SASがロックダウン状態になると、一部の言語要素が利用できなくなります。
SAS 9.4の2番目のメンテナンスリリースでは、SASがロックダウン状態になると、次のようなFILENAMEステートメントのアクセス方式が利用できなくなりました。
  • EMAIL (SMTP)
  • FTP
  • Hadoop
  • SOCKET (TCPIP)
  • URL (HTTP)
ただし、サーバー管理者は、このアクセス方式がロックダウン状態でも使用できるように、同方式を再有効化できます。HadoopおよびURLアクセス方式がロックダウン状態になると、HADOOP、HTTP、SOAPの各プロシジャもロックダウン状態になります。HadoopおよびURLアクセス方式が再有効化されると、HADOOP、HTTP、SOAPの各プロシジャは自動的に再有効化されます。
詳細については、XisError: No pubcode in link data found for lrconを参照してください。
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