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SMPコンピュータの使用

SPD Engineでは、対称型マルチプロセッシングと呼ばれるハードウェアとソフトウェアのアーキテクチャが活用されます。SMPコンピュータには、複数の中央処理装置(CPU)、およびスレッドをサポートするオペレーティングシステムがあります。SMPコンピュータは通常、複数のコントローラ、およびコントローラごとの複数のディスクドライブで構成されます。SPD Engineでは、データファイルの読み取り時に、各CPUに対して1つ以上のスレッドが起動されます。これらのスレッドは、CPUごとに1つ以上のコントローラによって駆動され、複数のディスクドライブから並列処理でデータを読み取ります。SMPコンピュータで実行するSPD Engineでは、所定の経過時間内ではるかに多くのデータを読み取り、アプリケーションに配信する機能が提供されます。
5つのCPUと10のディスクドライブを備えたSMPコンピュータでデータセットを読み取ると、シングルCPUコンピュータのI/Oよりも5倍速く処理することが可能になります。スレッドI/Oに加えて、SMPコンピュータでは、アプリケーションプロセスのスレッド化が可能になります(たとえば、SAS 9.1以降のSORTプロシジャでのスレッド化された並べ替えなど)。
SMPコンピュータの正確なCPU数は、製造元とモデルによって変わります。コンピュータのオペレーティングシステムも専門化され、並列実行のためにコードセグメントをスケジューリングする機能が必要とされます。オペレーティングシステムカーネルがスレッド化されると、実行スレッド間の競合が防止されるため、パフォーマンスがさらに向上します。
スレッドオペレーティングシステムで管理されたSMPコンピュータ上でスレッドを実行すると、使用可能なCPUが同時に作動します。CPUとスレッドの相乗効果によって、ソフトウェアで、処理パフォーマンスのスケール変更が可能になります。その結果、スケーラビリティによって、データセットの作成、データの追加、およびWHEREステートメントを使用したデータのクエリなどのタスクの全体処理速度が大幅に増加します。
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